出光佐三氏とのご縁

「海賊とよばれた男」で知られる出光興産創業者である出光佐三(1885~1981)翁は、明治44年(1911年)、ここ門司港にて「出光商会」を創設されました。佐三翁は灯油よりも安価であった軽油に着目し、関門一帯の発動機船に船上にて燃料を供給するというアイディアでその事業を成功させ、既存の油商人からは「海賊」と呼ばれて恐れられるほどの成長を果たしました。

「海賊」と呼ばれるほどにバイタリティ溢れる人物であった佐三翁は、その一方で敬神の念篤く、故郷・宗像郡赤間村(現在の福岡県宗像市)の産土の神社や、出光商会を起業した門司港の鎮守神である当社を深く崇敬し、大正9年(1920年)には自らの病の平癒を祈念し無事に快癒され、さらに大正15年(1926年)には当社にて結婚式を挙げられています。

その後、出光興産株式会社設立により本社機能が門司から東京へ移ることになりますが、翁は自らのルーツである宗像や門司、そして鎮守の神々への感謝を忘れず、昭和48年(1973年)には当社の大鳥居を奉納し、その際は翁自ら「甲宗八幡宮」の社号を揮毫されました。

明治・大正・昭和と三つの時代にわたって出光佐三翁が深く崇敬した甲宗八幡宮。門司港の街の景観は大きく様変わりしましたが、かつて「海賊とよばれた男」が青春時代に大暴れした関門の海はそのままの姿で、今日も甲宗八幡宮によって見守られ続けられています。


出光佐三翁奉納の大鳥居(奥)

境内に立つ出光佐三翁記念碑

出光佐三翁揮毫の社号額